本大会では驚いたことがいっぱい起きました。

驚いたことその1

　6月5日栃木・鬼怒川で開催された全国大会。
前日4日は強風で氏家大橋下の大会本部に設営したテントが飛ばされ、やむなくテントを撤収しました。
翌日の大会当日の天気予報は小雨、雨のなかでの競技会になるだろと覚悟していましたが、天気予報は
運よくはずれ。無風で曇りのち晴れ、お昼には外気温26度、水温は流芯で18度、絶好の釣り日よりとなり、
実行委員一同は驚くと同時にホッと胸をなで下ろしました。

驚いたことその2

　鬼怒川は放流アユ河川です。今年は漁協が200万匹を放流。
放流アユは大雨が降ると河川全体に散りますが、水量が増えないと群れがあまり散らないで特定の場所に固まる傾向があります。
4月末の段階で、大会実行本部長の齋藤次央栃木ドブ研代表は爆釣ポイントを推理して、イラストマップに3つの場所をあげました。そして解禁日、結果はどうなったでしょう。

アユの溜まっていたのは、爆釣ポイント②の勝山公園前でした。 しかし、大型アユが群れていたのは、この勝山公園前ではなくて、 その500ｍ上流のテトラポットの間が大爆釣ポイントだったのです。

左の写真は爆釣ポイント②。勝山公園前。
参加者の8割がこのポイントに入りました。
ここでは数が揃いましたが、16㎝を超えるアユはあまり来ません。

この写真は勝山公園から500m上流です。
驚きの大爆釣ポイントはここ！
大型アユがテトラポットの間に群れていたのでした。
大会上位入賞者はすべて、このポイントに入った人で占められました。
6月12日現在、ここは深夜2時から場所取りをして竿を出しているそうです。

驚いたことその3

　大会ルールは、朝5時にスタートして12時までに検量すること。
5匹の総重量で順位を決定、他に大型賞。数釣りを競いません。
ウワバリは3本まで。11時過ぎると本部に大型5匹のアユをビニール袋に入れた参加者が集まり始 めます。
参加者は40名。重量は2グラム、3グラム差の争い。大型賞の部は1ミリ2ミリの差で喚声が沸き起こります。

(写真左は熱気がこもる検量風景。手前のハッピ姿は実行本部長の齋藤さん。右の検測中のアユは18㎝ちょうど)
検量結果は、総重量245.5gで梅津大志さんが優勝。しかも若干20歳の若者と分かると「うお～っ！」と驚きの声があがりました。
更に大型賞の部で優勝は186mmで小倉正之さん。小倉さんと梅津さんの年齢差はなんと50歳超。これも驚き。

左から準優勝藤岡俊幸さん。
優勝の梅津大志さん。
3位の安達健二さん。
右端が大型賞の小倉正之さん。
みなさん、いずれも勝山公園上流テトラに入った人です。
10位までの上位入賞者の成績や当り毛バリは、別ページのPDFでご覧ください。

驚いたことその4

上位入賞者の表彰が終わり、播州釣針協同組合事務局長の時政良光さんが挨拶に立ちました。

写真左は参加者に播州毛鉤を代表して挨拶する時政さん。
播州毛鉤のみなさんは兵庫県から一台のワンボックスカーで鬼怒川まで10時間走ってやってきましたが、
「驚いたことその4」は、運転したのはたったお独り、それも古希を過ぎた横山さんだったそうです。

左の写真は、横山金司郎商店の金四郎バリを巻く伝統工芸士の横山禧一さん。
播州の5人のみなさまは全員運転ができます。
片道800キロ近い遠路をなぜ、たったお独りでハンドルを握ってきたのでしょう？

　時政さん「最初、私が運転してたんですが、横山さんが他人の運転だと酔うから運転させてくれと言うんですわ。 そんで替わったら、もうハンドル誰にもわたさんのです。
西脇を早朝6時に出て、途中食事で休みましたけど午後３時半に宇都宮まで、よう疲れんとやってきましたよ。」
ユメヤさん「おかげさんで、こっちはビール飲ませてもらい、ありがたいことです。ほんまは、時政さんも運転、好きなんですよ。 時政さんがナビ役で横に座ってましたが、本当は代わって運転したかったんとちゃいますか。帰りも横山さんの運転です。確か往復1550キロを、独りでやったんです。」
ところで時政さん、鬼怒川で初めて入れ掛りを経験したそうです。

写真は時政さん。
「わたしは事務局長をやっていますが、ドブ釣り（毛鉤釣り）はあまりやりません。 今回、ユメヤさんが隣でいろいろアドバイスしてくれて、楽しい思いをさせてもらいました。鬼怒川に感謝です。」

　(写真左から、まさるバリの横山優さん。勝岡毛バリの勝岡由紀雄さん。ユメ ヤバリの藤原一次さん。伝統工芸士のみなさま毛バリ釣りの名手でもあります。)
天候と伝統毛バリ、そして鬼怒川のアユに恵まれ、多くの参加者は30匹以上のアユを釣りあげたのではないでしょうか。全員大満足の大会でした。大会主催者は「播州釣針協同組合」と「栃木ドブ釣り研究会」。
それでは全員集合！　はい、笑顔！

2016・6・14　文責　山本喜浩会員

鬼怒川大会成績上位者

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