アユを取り込む、
夢枕さん。

獏さんには、『鮎毛バリ大図鑑』に素晴らしい巻頭言を飾って頂き、また出版記念パーティでは、
「釣りで禁断症状が出たのは、鮎の毛鉤釣りだけでしたよ！ 魚釣りはね。最初の一匹を、一緒に行った連れとどっちが釣るかは、非常に大事な問題なんですよね～。」
「連れが釣ったらすかさず褒める、これ大事！でもね～、一番いいのはね、自分がたくさん釣れて、連れが釣れないのがいいよね～。」
と痛快なご挨拶を頂いた。

『鮎毛バリ大図鑑』の出版記念パーティで挨拶に立つ、
夢枕さん。

　あれから2ケ月の月日が流れたある日、獏さんから嬉しい便りが舞い込んだ。
赤石川へ行く際はご連絡くださいと直筆のお手紙。
早速、父・澤渡要が電話すると話はすぐにまとまり、まずは好調の相模川へ案内することにした。
午後15時におとり屋さんに集合。
しかし獏さんのお友達がどこかで道に迷われているとのこと。
待っている間、獏さんに「私の車、ナンバーは1091・イレグイにしたんですよ～♪」と言って車をお見せすると、なんと獏さんの車も1091！
そこへ20分遅れで到着したのは、夢枕さんの釣り仲間・平野さん。
全員揃ったところで、いざ釣り場へ。

川に降りる一行。

　ポイントでは、既に渡辺さんがサオを出してスタンバイ。
2年前からすっぽりドブ釣りにはまり、シーズン中は毎週末にサオをだしているという。
しかも驚くことにあれだけ大好きなお酒も断って！
渡辺さんの背中は並々ならぬ執念で熱い感じ。

渡辺さん、今回のポイント案内人。

　そして獏さん。
獏さんは初心者ではないもののドブ釣りは久しぶりで、平野さんは初のドブ釣り。
しかしそのドブ釣りビギナーの平野さんがまずは釣り上げる。
「ビギナーズラックか！」との声も飛ぶ中、次々と釣り上げる。
聞けば平野さんは釣りという名のつくものはなんでもやったとのこと。

入れ掛りの平野さん。

　ドブ釣り初体験の平野さんがドンドン釣り上げる。
出版記念の挨拶のごとく獏さんはちょっと面白くなさそうに、
「どうなっているのよ、平野さん」とぼやいていたが、その獏さんも立て続けに上バリに喰わせ始めた。
これで一安心。
お二人とも釣り姿に品格があってかっこいい。

　あっという間に日が暮れて、いよいよ赤玉ポートワインの出番かと湧きたつ父と渡辺さん。
神通川の夕釣りで当たる毛鉤ですが、ここは相模川。はたして？
「そろそろ赤玉ポートワインといきますか！？」
「いやいやまだまだ、もう少し。」っと、知らぬ人が聞けば首をかしげる会話。
たまらず渡辺さんが、赤玉ポートワインに付け替える。正式名は「みずかみ10号」。
とたん入れ食い。父が全員に赤玉ポートワインを配って、毛鉤をチェンジ。
「凄い！本当に当たる。これって、神通川の毛鉤じゃないの～。」っと、雄叫びをあげる山本会員。
その後は、獏さんも平野さんも赤玉ポートワインで入れ喰い。
「おぉ～。」「きたきた～。」「スゲェ～。」
いろんな声が耳にはいるが、私もここ最近お気に入りの最強毛鉤で入れ掛り。
鮎を取り込むのに必死だ。
いよいよ暗くなってきて、皆次々にサオをたたんでいる。
私は～、もっとやりたいとサオを上下し続けている。
「おぃ、紀子、もう行くぞ！」と父に3回言われ、しぶしぶサオをたたむ。

「みずかみ10号」通称赤玉ポートワイン。

　真っ暗な相模川に、うしろ髪をひかれながら帰路へ。
「あ～、もっと釣りたかった！」獏さんも平野さんも渡辺さんも、そして父も、心の声は一緒だろう。
次回は獏さんと青森県、赤石川へ。

　6月9日、モンベル本社に夢枕 獏さん、落語家の林家彦いち師匠、イラストレーターの寺田 克也さん、
蕎麦職人の太田 伊智雄さんらが集まって、ネパール支援のチャリティーイベントが開かれました。

爆笑のイベント会場。

　夢枕獏さんのヒマラヤを舞台にした小説『神々の山嶺』が映画化され、来年2016年に公開予定です。
今年3月に起きたネパール地方の震災直前。獏さん達4人が、その映画撮影隊の陣中見舞いを兼ねて、ヒマラヤの麓、標高5545mまで息絶え絶えに登った登山報告。
いや～、これが面白くて久しぶりに笑いました。
ネパールでの洗面器奇譚。そして感動の蕎麦打ち、俳優阿部寛さんを前にした彦いち師匠の低酸素高座などエピソードはまさにヒマラヤ級！
私は小説『神々の山嶺』に心打たれ、コミック版、また関係する書籍を読み漁りました。
来年の映画も楽しみです。
こちらのサイトが映画のご案内です。　http://www.everest-movie.jp

「夢枕獏さんとドブ釣り」～その2～は白神山地 赤石川釣行記です。
1091になりますか。どうでしょう？

澤渡紀子会員と夢枕さん。

2015年6月27日記　文責　澤渡紀子会員。

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