それから、1週間後、 私と父は青森県の赤石川にいた。
白神山地にある美しい赤石川は、先週の大鐘川を彷彿させる。
私は韓さんに頂いた韓国の毛バリで、１週間前の韓さんからの教えを思い出し、忠実に釣ってみた。何度か取りこぼしたものの、その日一日、大きな山女まで釣り、父に釣果で初めて勝つことが出来た。

大鐘川と渓相がどこか似ている赤石川

韓国毛バリにアタックしてきた赤石川のヤマメ

父曰く、慶州の大鐘川と青森の赤石川とは、美しい清流という点で共通しているから韓国バリでアタッタのではないかという見解だ。
父はその夜、韓国バリにつけかえた………。

韓国毛バリ

　釣果はともかく、『鮎毛バリ釣り』というものが、純粋に初めて楽しい！と実感した一日だった。
鮎毛バリ釣りを愛し楽しむ心は、韓国も日本も変わらない。私たちを迎えるにあたって何日も前から準備し、総出で大歓迎してくれ、韓さんを中心とする韓国の鮎毛バリ釣り愛好者の皆さんに、謙虚な心と感謝の心を教わったような気がする。
　また、韓さんは聞けば、幼少の頃から40年以上も鮎毛バリ釣りをしているのに、少しも傲慢なところなく、年長者である父の意見に真摯に耳を傾けうなずくその姿に、何より大切なものを教えてもらった感じがした。
そしていつの間にか、「今度はどこの川へ行こうか」などと思い巡らしている自分がいて、思わず笑いがこみあげた。

ページのトップへ　前ページ　1ページ　2ページ　3ページ　4ページ　次ページ　　　コラムトップページ